【解説】
G・エリオット作「サイラス・マーナー」を木下恵介自らが翻案・脚本を書き下ろし。木下恵介の心のふるさと信州の山中を舞台に、一人の孤独な男の心の葛藤を描いた、人間性溢れるドラマ。 “もがり”とは、戦などのときに竹を筋違いに組み合わせて縄で固く結って棚としたもの。この物語は、冬の烈風がもがりに吹きつけて発する笛のような音“もがり笛”に託した、一人の男の魂の叫びと祈りである。
【ストーリー】
自分が愛し、信頼していたすべての人々に裏切られた一平は、自分の心の中に誰も立ち入らせない心の“もがり”を張り巡らし、社会から絶縁して信州の山中の小屋でロクロを回して生活していた。
ある雪の夜、行き倒れ寸前の女の子が、一平の小屋に舞い込んでくる。彼はその小さな女の子に心惹かれるものを感じ、育てることにする。女の子の成長していく姿をみつめていくうちに、一平の頑なな心の“もがり”は少しずつ解かれはじめていく。
【放送公開日】
1967年10月17日~/全13話
【制作】
松竹株式会社
【原作】
G・エリオット
【脚本】
木下恵介
【監督】
川頭義郎