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カサトレ ゴルフ編
ひとつ、人の世の生き血をすすり、ふたつ、不埒な悪行三昧、みっつ醜い浮世の鬼を、退治てくれよう、桃太郎
【見どころ】
浅草聖天裏のお化け長屋で養生指南を営む浪人、桃太郎(高橋英樹)。剣の達人でもある彼の正体は、大目付のちの若年寄・松平備前守の生まれてすぐ引き離された双子の弟、松平鶴二郎(高橋・二役)だった。
悠々自適に過ごす桃太郎だが、この世に悪がはびこる時、心を般若の面で隠し、数え歌とともに剣を振るい、天に代わってこの世の鬼どもを成敗していく。
【出演】
高橋英樹、藤岡琢也、野川由美子 ほか
【放送公開日】1977年4月10日~10月30日/第27話~第56話
【制作】日本テレビ、東映
【あらすじ 第27話~第40話】▼
第27話 袋小路の男
つばめが福井屋の卯之助に料亭で襲われそうになっていると、男が現れ助けてくれるが、男は卯之助を刺してしまい、つばめは助けてくれた男を連れ、桃太郎の家に逃げ込む。伊之助宅でかくまうことになった男、新助は、桃太郎が上方屋で飯を食わせた男だった。何か事情があると察した桃太郎に重い口を開き、自分は人殺しの濡れ衣を着せられ島流しに合い、そこで事件の真相を知り復讐するため抜け出してきたと告白する。
第28話 泣き笑い 千両くじ
ある日、長屋の富造は男が落とした富くじを拾い、それを上方屋の居候、長吉へ一分で売るが、なんとそのくじが1等千両の当たりくじだった。翌朝、長吉がお寺に引き換えに行くと、くじは偽物だとその場で捕らえられてしまう。桃太郎たちは、すでに町方が待ち構えていたことに疑問を抱き、先ずは落とし主を探すことに。すると後日、千両を受け取りに来た男が落とし主だと気づいた富造が、その場にいた役人に告げるのだが…
第29話 ふるさとは 遠かった
乳母の千代が亡くなって1年が経ち、千代の生まれ故郷の箱根に行くことを思いついた桃太郎は、伊之助、つばめと上方屋の3人を連れ旅立つ。箱根の関所では役人が手形の他に裏手形なるお金を差し出さなないと通れないのが通例となっていたが、桃太郎は一喝し強硬突破、一行は旅を楽しんでいた。しかし偶然、旅の途中で出会った商人と偽る男たちと関所の役人がグルになって盗っ人の金を奪おうとしていることを知り、真相を確かめようとする。
第30話 瑪瑙に 命を賭けたやつ!
ある晩、人足が次々と殺され、そのうち2人は2両もの大金を持っていた。伊之助は、嶋屋で人足と同じ仕事をしていた昔馴染みの彦七も昨夜から帰っていないと聞き、つばめと一緒に一芝居打ち嶋屋への侵入を試みるが、屋敷の用心棒に怪しまれてしまい退散する。彦七は、娘おみつと父親のいない孫のために無理をして働いていたのだが、倉庫で荷下ろしの仕事をしていた際、荷を落とし抜け荷の品を見てしまい隠れていた。
第31話 宵宮に 消えた神輿
桃太郎たちが祭半てんに身を包み、神輿を見に行くと蔵から神輿が無くなっていた。宮司が借りたお金が返せず、借金のかたに烏山検校に持って行かれていたのだ。検校は悪どい金貸しをしていたが、お上に特別に保護され大勢が泣き寝入りしていた。皆でお金を集め、祭りの間だけでも神輿を貸してくれるよう頼みに行くが断られ、仕方なく神輿造りを職人に頼みに行くと行方不明になっていた。怪しんだ桃太郎は検校屋敷を探る。
第32話 幼なじみに ご用心!
幼馴染みの久蔵と偶然、再会したつばめ。昔話に花を咲かせていたが、久蔵は一座で働かせてほしいと頼み込む。芸は出来ないが何でもやると言い下働きとして働くことになったが、実は京極筑前守の屋敷から絵図面盗み出すために、京極家に出入りしていた玉川一座を利用しようとしていた。久蔵は座員の立場をうまく利用し絵図面を盗み出すことに成功。藩の命運を左右するほどの大事な物が盗まれた京極家は一座に久蔵を紹介したつばめを疑い問い詰める。
第33話 のれん分け 油地獄
長屋に住む新八が油問屋相模屋の分家として、のれん分けが許され店を構えることになった。開店早々、商売は順調だが大口のお得意様が無いと嘆いていると、本家相模屋の番頭が奥州伊達家の御用人を伴い訪ねてきて、伊達家の灯油担当の話しを持ち掛ける。仕入れ資金も両替商に話をつけてあると言われ、新八は迷った末に引き受けることにし、店と土地を担保に資金を調達した。妻のお菊は取引に不安を覚え桃太郎の元へ相談に行く。
第34話 儚い恋の 花いちもんめ
桃太郎が松平屋敷へ行くと備前守から、5日後に御三家諸大名にお披露目する予定の、将軍家から拝領した神君家康公ご愛用の太刀が盗まれ、見つからなければ切腹も免れない一大事だと告げられる。緊急かつ内密に太刀を見つけるように頼まれた桃太郎は伊之助やつばめにも力を借り懸命の捜索を始める。しかし手がかりはなく、失せ物捜しがよく当たるという山伏の天眼坊に神頼みで依頼に行くが天眼坊は伊之助の兄貴分の大泥棒だった。
第35話 鬼がひしめく 青梅宿
旅姿の男女が上方屋の前で襲われているのを桃太郎が助け事情を聞くと、青梅から直訴に向かった父親を探しに来たという。村では漆喰の材料の石灰を産出しており、1年前からただ働き同然の賦役労働が増えたため百姓仕事ができず村は困窮していた。しかし直訴前に父親は殺されており、青梅の地に不穏なものを感じた桃太郎は二人の帰宅に同行し調べることに。青梅に旅興行に行く玉川一座と伊之助と共に旅に出る。
第36話 海の男の 燃える恋
仁兵ヱの故郷である那珂湊を訪れた玉川一座。興行を見た網元浜徳の若旦那六平太がつばめを気に入り、嫁にすると言い出す。六平太のお座敷に呼ばれてしまい、桃太郎を許嫁と偽りごまかそうとするが六平太は諦めず逃げ出した帰り道、男が切られ「浜徳丸の先頭が小舟で…」と言い残し息絶えた。翌朝、浜徳丸の漁師たちの死体が浜に上がり、お世継ぎの初のお国入りを祝う宴会に千匹の鯛を納品しなければならない浜徳は窮地に陥る。
第37話 尼僧の館に 黒い雨
江戸城で松平備前守が寺社奉行土井長門守に、目安箱に投函された長門守の悪事に対する訴状について真偽のほどを問うが否定される。隠滅を計られる前に悪事の証拠を突き止めようとした目付の藤崎は、長門守の姉である極月院が差し向けた尼僧たちに殺害されてしまう。そんな折、すずめが仁兵ヱと大喧嘩して一座を辞め、極月院の下働きの仕事を紹介された。桃太郎は備前守が長門守と通じている御数寄屋坊主の茶会に出席すると聞き、すずめに極月院を探らせる。
第38話 甘い言葉に 罠がある
桃太郎の家に「伝造はいるか」と男が訪ねて来たが伝造は5~6年前に長屋を出ていた。気落ちして出て行った男は二人組に刺され桃太郎の家に運ばれる。男の懐にはご赦免状が入っており、名を友吉といい今日八丈島から帰ってきていた。目を覚ました友吉は、6年前に伝造からこの家に呼ばれ、人殺しの身代わりを頼まれ、その代わりに50両をもらい借金を返済し、面倒を見る約束で妹と弟を預けたというのだ。文七親分が伝造の行方を調べると、名前を変え商売を始めていることが分かり桃太郎が確かめに行く。
第39話 嘘つき小僧が 飛んで来た!
長屋に越してきた島帰りの新助の息子竹松は、大人たちに嘘ばかりつき皆を困らせていた。ある晩、竹松は父親の帰りを待っているときに人殺しの現場を目撃してしまう。殺しの現場から新助のノミが見つかり、文七親分が新助を番屋へ連れて行こうとするが、竹松が邪魔をし逃げられてしまう。残された竹松は文七親分に、殺したのは頬に傷のある男だと訴えるが信じてもらえず、自分で下手人を捕まえてやると飛び出していった。桃太郎だけは竹松の言葉を信じ真犯人捜しを始める。
第40話 男ごころの 茶碗酒
松平家の御用を務める商人や菩提寺が次々と襲われた。皆殺しのうえ有り金の全てを奪う手口から稲妻の丈吉一味の仕業とみられていた。御用聞きの粂造は、強盗一味が遠藤美濃守屋敷に消えたのを目撃し筆頭与力に注進するが取り合ってもらえず、何者かに殺害されてしまう。そんな中、今度は松平屋敷から重要な書類が盗まれた。老中より備前守へ、3日以内に解決せよとの通達があり、できなければ切腹も免れない事態となり、桃太郎も書類捜しに奔走する。
【あらすじ 第41話~第56話】▼
第41話 怒りの刃を 振り上げろ!
闇討ちに遭っていた岩槻藩勘定方の寺内兵馬を助けた桃太郎は家に連れ帰り看病する。兵馬は、岩槻藩ではここ3年、重税にあえぐ領民たちが今にも一揆を起こしかねない切迫した状態だが、大掛かりな公金横領が行われていることが分かった言い、資料をもとに公金五万両の行方と江戸家老安藤の企みを至急探ってほしいと桃太郎に頼む。江戸家老安藤は浪人の岩井に、寺内を討ち果たせば岩槻藩剣法指南役に召し抱えると約束していた。
第42話 涙で見送る 子の門出
ある夜、夜鷹のお篠は侍に追われている子供を匿うが見つかってしまい逃げているところに桃太郎が助けに入る。子供は大名の子、結城新之助と名乗り、屋敷を出てすぐに侍に見つかり乳母は殺され行先は分からないというので桃太郎が預かることに。お篠の情人(恋人/想い人)の新三は荷物から手紙と懐剣を見つけ、お篠が結城信濃守の側室で新之助の実母だということを知り結城屋敷へ強請に行く。新之助が襲われた理由を探るため、伊之助は結城屋敷へ忍び込む。
第43話 お化け長屋に 出たお化け
桃太郎が釣りをしていると、どくろを釣り上げた。酒をたむけ念仏を唱え埋めるとその晩、女が現れ成仏できたと礼を言い、浮かばれない者がまだ十数人いるから供養して欲しいと頼まれる。話しを聞いた熊造が釣りに行くと今度は大量の小判の入った袋を釣り上げた。さっそく岡場所で散在するが、店が小判を不信に思い番屋へ届け出、熊造は牢屋へ入れられてしまう。桃太郎たちが釣りあげた現場を調べると男の死体が見つかる。
第44話 手鎖慕情
桃太郎と伊之助は上州の絹の産地として評判の駒形宿へやってきた。10日前、切られながらも必死に江戸に辿り着き、桃太郎の元で息を引き取った河内屋から、天満屋による悪行の数々を綴った訴状の内容を聞いたのだ。訴状は天満屋に奪われており、差出人の名主は代官所の牢屋へ入れられた。天満屋の娘お豊が名主の放免を願い出るも、代官は目の前で名主を斬殺。駆け付けた桃太郎は、お豊を人質にされ、二人は鎖でつながれ、翌朝処刑されることになってしまう。
第45話 からくり 武士道
桃太郎は松平家の御用商人経由で、備前守の文箱を預かった。その後、備前守が路上で襲撃に遭うが、襲ってきたのは亀井藩で原因は先日、桃太郎に預けた文箱だという。文は亀井藩の悪政の数々が書かれた直訴状で、半月後に藩主を評定所にて糾弾する予定のため、必死で奪いにきていた。同じ頃、新しく長屋に小野寺甚内と登勢夫婦が越してきた。桃太郎は小野寺と意気投合するが、熊造とおはるは、登勢が侍たちと忍び会っている姿を目撃する。
第46話 酔いどれ 芸者の涙唄
ある晩、芸者のお駒が酔い潰れているのを見かねて桃太郎が家に連れ帰る。事情を聞くと、お駒の娘が奉公先の材木問屋の跡取りに見初められ嫁ぐことになり、挨拶のため伊勢から上京してくるという。しかし娘には江戸でも指折りの呉服屋の後妻になったと嘘をついており、芸者だと知れ破談になったら会わす顔がないと心配していた。桃太郎は呉服問屋駿河屋に頼み、お駒の嘘を本当にするため、つばめや長屋のみんなにも協力してもらい一芝居打つことにする。
第47話 昌平坂に 消えた夢
長屋の音吉は働きながら学問所に通い、武家の子息たちの嫌がらせにも負けず、最後の試験で見事、主席となった。この試験の上位3人には学問所寄宿生になるための受験資格が与えられ、そこで選ばれた者は寮に入って勉強し、修了すると藩校の教授方として推挙される将来有望なものだった。そんな時、音吉の父親が仕事で腰を痛め働けなくなり一度は受験を諦めるが、桃太郎たちの後押しで試験を受けることを決心。見事に合格するのだが…
第48話 黒い鼠に 数え唄
つばめが昔の踊り仲間で廻船問屋備前屋に嫁入りしたお千賀を訪ねると、半年前に主人が突然亡くなって以来、変なことばかり起こり夜も眠れないと泣いて訴えてきた。ある晩、備前屋の下男が刺され、桃太郎に「備前屋には鬼がいて…」と言い残し死んだ。お千賀に話を聞きに行くと、毎夜、物音や人影に怯え人を呼んだため、病にされてしまい、お店のことに一切口出しできないようにされてしまったという。桃太郎は鬼退治のため備前屋に泊まることにする。
第49話 男いちずの 灯りが消えた!
桃太郎は町外れの小屋に住む直八と知り合った。翌日、直八は大黒屋から人足の賃金を支払ってもらえず大暴れして番屋へ連れて行かれる。直八は5年前に、ならず者に有り金を奪われ途方に暮れていたところ、声を掛けてきたお絹に財布と弁当までもらい生き延び、以来、名前しかしらないお絹に恩返しするためお金を貯めていたと言う。事情を聞いた文七親分は大黒屋へ、あこぎが過ぎると忠告しに行くが、筆頭与力に大黒屋から手を引くよう脅しをかけられる。
第50話 盗っ人一家は 福の神
料亭川清の娘、お園に酔って言い寄る直参旗本内藤の息子から、お園を守った板前の栄次。お園に慕われる栄次だが実は栄次と下足番、女中のお澄は盗賊の一味で、川清を狙っていた。お園を諦めず再び川清に現れた内藤の息子は桃太郎に追い返されるが香炉を忘れていき、桃太郎が屋敷に届けると偽物だと言われ、明朝までに本物を届けないと公儀に訴えると脅される。いいがかりにすぎず、屋敷に本物があるとにらんだ栄次たちは内藤屋敷から香炉を盗み出す計画を立てる。
第51話 さらば 伊之助
伊之助は町で昔の子分 藤五がスリをするのを見つけ家に連れ帰る。藤五が盗んだのは小石川の焔硝(煙硝)蔵の見取り図で、そこは江戸が吹き飛ぶほどの火薬が貯蔵されている幕府の火薬庫だった。両替商の天竺屋に脅され盗みを働いたと聞いた桃太郎たちは今をときめく両替商と焔硝(煙硝)蔵のつながりを探ろうと決め、伊之助とつばめが天竺屋に忍び込む。すると倉庫で大量の南蛮銃を見つけ、桃太郎は急ぎ松平備前守へ事の次第を告げる。
第52話 猿の代わりに 雉が来た!
伊之助の新盆の迎え火を焚いていると男が飛び込んできた。男は伊之助の弟分で雉の与之助と名乗り、10年前に足を洗い廻船問屋泉州屋で泉州丸の船頭(本編中は「かご頭」)をしていたが、玄海灘で船が沈没し何とか江戸まで辿り着いたと言う。さらに、泉州丸には佐渡金山で採れたご公儀の砂金が積んであったため泉州屋は闕所になり、主人は牢屋に入れられ一家は離散したと聞き途方に暮れていたところ、突然、同心が斬りかかってきて逃げてきたと打ち明ける。
第53話 じゃじゃ馬 剣法
小石川鍊(錬)成館道場の一人娘千鶴はあちこちで道場破りをする腕前のじゃじゃ馬娘。大島道場の看板を持って帰る途中、偶然、与之助が看板を受け取るはめになり扱いに困っていると、武者修行をして5年振りに江戸へ戻った大島道場の息子小十郎と出会う。修行のかいなく腕があがらずに帰宅できないと嘆く小十郎に、看板を奪い返したことにすればよいと持ちかけ大島道場に看板を持ち帰ると、千鶴より奪い取ったと噂が広がり千鶴から小十郎へ果たし状が届く。
第54話 闇を裂く妖剣
桃太郎の家に大勢の借金取りが押しかけて来た。しかし桃太郎を見るなり皆、別人だと口を揃える。さらに町娘お峰が訪ねてきて、桃太郎と夫婦になる約束をしてお金を渡したと言う。すぐに偽物と分かったが、店も辞め行く当てがないから暫く家に置いてほしいと懇願され泊めることにする。しかし、お峰は皆が寝静まると部屋から印籠を盗み出て行く。その印籠は桃太郎が釣りで釣り上げたもので偽物騒動は印籠を拾った時から起こったことに気づく。
第55話 子つばめ 騒動記
玉川一座のある浅草奥山の興行が禁止になると噂が流れた。仁兵ヱとつばめは桃太郎に相談し署名を集め、それを桃太郎が備前守へ届けて直訴し禁止は取りやめとなった。ところが、つばめが芸を披露していると客席から子供がお母ちゃんと呼んで駆け寄り、つばめの隠し子騒動で一座の客が激減してしまう。仕方なく長屋で何も語らない子供の面倒を見ていると様子を伺う女が現れるが、女は覆面をした男に刺されてしまう。
第56話 夜空に飛んだ 流れ星
桃太郎と仁兵ヱが盗賊一味と鉢合わせし、斬りかかられた仁兵ヱは知らない男に助けられる。翌朝、文七から昨夜の盗賊は天魔の五郎蔵で、助けた男は盗人でありながら、残虐(本編は無法働き)な盗人たちの邪魔をして歩く流れ星の半次郎だろうと知らされる。そこへ、つばめが蔵に子供が閉じ込められたと知らせに来る。南蛮製のカギを斧で壊そうとしていると男が現れ、金具1本で開けて見せた。名乗らずに立ち去った男と川で再会した桃太郎は、流れ星の半次郎だろうと尋ねる。