時代劇アワー『必殺仕業人』

必殺仕業人
 
『必殺仕業人』
9/1(木)スタート! 毎週月~金曜 14:00~14:55


 
【解説】
“必殺シリーズ”第7弾

 「仕置屋」たちの存在が他の殺し屋組織にもれた。おこうは捕えられ責め殺された。印玄は殺し屋の手下を道連れに自ら飛び降り自殺し、市松は奉行所に捕われ死罪と決った。主水は刑場へ向う市松をわざと逃がしてやり、そのため牢屋同心に格下げされた。捨三は、ほとぼりのさめるまで姿を消した。
 その1年後から、このシリーズは始まる。主水はおこうの遺言を守って再び「仕業人」稼業を始めており、仲間は炙師の又右衛門と昔からの忠実な調査役捨三だけ。そこへ侍くずれの大道芸人、赤井剣之助と情婦のお歌が加わる。牢屋同心に減俸、格下げされた主水は家でも姑や嫁からの風当りは強い、剣之助は藩から追われる身であり、お歌と二人の明日のない愛に生き、大道芸人として流れ歩いていたのだ。主水にはこの2人の生き方が理解できないし、現代的でクールな青年やいと屋又右衛門にもわかりあえないものを感じている。このような共感も持てないままグループを組み、一種の緊張状態をはらみつつ行動する。
 殺しのテクニックは、相手の髪の毛で首を締めるという壮絶さ、炙的を突いて一瞬のうちに電気にかかったように殺す一種のコミックさ、など多種性をもたせている。また、殺しの相談は通常、捨三の店の物干場が使われる。
 このグループには元締は存在せず、誰かが殺しの依頼を受け、全員の合議で決定、実行される。


【出演】
中村主水……(藤田まこと)
小伝馬町牢屋敷の牢屋同心。正式には町方同心牢屋見廻役といい、入出獄遠島引渡し、処刑などに立会う以外は全くの閑職。定町廻り時代よりも減給となり生活は苦しい。嫁姑からの風当りはますます厳しく、主水の顔もさえない。そんな中で新しい仲間と「仕業人」グループ結成、行動を始める。

赤井剣之助……(中村敦夫)
もと上州沼木藩士、真野森之助。旅芸人お歌に出会い武士を捨て名を変えた。月琴をひくお歌と2人で大道芸人として流れ歩いているが彼にできることは竹光の長刀の居合抜きだけ。「仕業人」の存在を知り主水をたずね仲間に加わる。腕は立つが刀は持たない剣之助の殺しは、指につけた剃刃で相手の髪の元結を切りその乱れた髪の毛で首を締め上げる壮絶な捨て身わざ。

又右衛門……(大出俊)
やいとや、即ち炙師である。独身で二枚目なので町娘や後家さんに人気がありなかなか繁昌している。男女の関係を遊びだと割り切っているプレイボーイだが、悪に対する憎しみも持っている。遊びの金も欲しいと裏稼業で「仕業人」となる。殺しのテクニックは、炙に使う携帯用火種で細い鉄針を真赤に焼き、相手の炙の急所に突き刺すもの。体力に自身はなく反撃されると危ない。

捨三………(渡辺篤史)
「仕置屋」崩壊後、一時姿を消したが、今では吉原の近くで色街相手の洗い張り屋を開業中。女の長じゅばんや腰巻きに囲まれているため女性には興味を示さない。裏では昔通り、主水の忠実な右腕として殺しの裏付け調査を担当する。

お歌………(中尾ミエ)
女旅芸人。月琴を弾きながら歌う。剣之助と出会い旅芸の一座を飛び出し、2人で寄り添うように生きている。お歌は剣之助だけが生きがいであり、彼が死んだら自分もすぐあとを追うつもりなのだ。

中村せん………(菅井きん)
おなじみ主水の姑。婿いびりの腕は一層さえるが、跡取りができないのが悩み。

中村りつ………(白木万理)
主水の嫁。


【放送公開日】
1976年1月~/全28話
【制作】
松竹株式会社
【脚本】
安倍徹郎・田上雄 ほか
【監督】
工藤栄一・松本明 ほか