時代劇『破れ新九郎』

破れ奉行
 
時代劇『破れ新九郎』
毎週月曜~金曜 14:00~14:55

 
【解説】
 この作品は「破れ傘刀舟、悪人狩り」「破れ奉行」に続く萬屋錦之介主演の破れシリーズ第3弾。主人公の設定は最初が医者で反体制側の人間、前回が奉行で体制側の人間。そして今回は獣医で反体制側とかわってはいるが、いずれにおいても、このシリーズは庶民の力ではどうすることもできない悪、権力を持つ側の悪を、主人公が小気味よいタンカとともに倒すという、その爽快さに物語の力点がおかれていることに、かわりない。ただ、前2作の主人公が一種のスーパーマン的存在であるのに対し、獣医である今回の主人公は市民ゲリラのリーダー。バイタリティあふれる江戸庶民の代表者といった性格が強く、単なるスーパーヒーローではない、現代人でも充分共鳴しうるリアリティある人物として描かれている。
さらに萬屋錦之介の明るさ、豪放さ、内に秘められた強烈な正義感など、彼自身のキャラクターとあいまって主人公は個性豊かな人物となっている。物語の天保年間の内藤新宿。百四十年前の新宿も、現在と同じく若さとバイタリティにあふれた猥雑な町で、当時ここは甲州街道にのぞむ宿場として、また江戸市民の生活をまかなう諸物資の集散地として栄えており、庶民の盛り場としての機能もそなえていた。


【出演】
萬屋錦之助、田中邦衛、せんだみつお、岸田今日子、岡本富士太、若林豪、嵐寛寿郎、春川ますみ、池上季実子 ほか
【放送公開日】
1978年10月~/全25話
【脚本】
津田幸於、池田一朗、笠原和夫
【演出】
渡辺祐介、沢島忠、吉川一義
【プロデューサー】
勝田康三、中岡潔治
【音楽】
木下忠司
【制作】
テレビ朝日、中村プロダクション