上総十二社祭り 2014 フォトコンテスト入賞作品

上総十二社祭り写真コンテスト 講評

講評 祭り写真家 芳賀日向 (日本写真家協会会員)

【総評】
9月12-13日に渡って、一宮町で上総十二社祭りが開催されました。当日は天候に恵まれ大変に良い祭りの日となりました。写真の選定は私と地元審査員が厳正に行いました。上総十二社祭りは、神話にもとづき玉依姫命とその一族の神々が一年に一度、釣ヶ崎海岸で再会することを盛大に祝います。作品にはその盛大な祭典が作者の視線で捉えられていることを重要視しました。また、子供が大人と一緒に駆ける場面が以外に少なかったのですが、千二百年間続いている行事の継承としても次の世代の子供たちを多くの場面に写しこむことを次回に期待します。



特選1 「一斉差し上げ」
中根 英治(埼玉県久喜市)

釣ヶ崎海岸でのクライマックスの一斉差し上げ。神々の再会を盛大に祝う場面を広角で捉えた壮大なケールの作品。すべての神輿、鳥居、観客がきっちりと一枚の写真におさまり、祭りの全容を伝えているのが素晴らしい。


特選2 「最後のダッシュ」
幸治 良行(千葉県睦沢町)

勇壮な鳥居くぐりの場面。鳥居がきちっと写り、神輿、神輿の鳳凰、高張提灯、日の丸の扇子、担ぎ手の表情など、オーソドックスな構図に祭りの本質を表現した。一番前の提灯持ちの両足が空中に浮かび、それが動感となっている。
 

特選3 「人馬一体」
泉 英伸(千葉市稲毛区)

海岸のある1ヶ所だけに水面が広がり人馬がその上を走る。堤防からその場所を計算し、人馬が水面に映る姿を写した。作者の意図が良く伝わる。もう少しトリミングして人馬を強調すると作品がもっと力強くなるだろう。
 

特選4 「元気はつらつ」
君塚 義美(千葉県いすみ市)

釣ヶ崎海岸での祭典を終えて宮入するために夕闇に包まれて帰路につく神輿。昼からかなり走ったのだろう。しかし顔にはやり終えたという充実感が溢れている情景描写が良い。できれば右のテントと看板が映り込まない背景やアングルを選ぶと良かった。


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写真家 芳賀日向さんの作品紹介 

          

              

              


               

               


               


               

               
 

芳賀日向プロフィール
祭り写真家。1956年生まれ。
日本・世界の祭りを30年に渡って撮影。
朝日新聞社「週刊日本の祭り」全30巻に「祭りを撮る」を連載。
PHP研究所「日本の祭り大図鑑」監修(2012年)。
グラフィック社「ヨーロッパの民族衣装」著作(2013年)、晋遊舎「日本の祭りがまるごとわかる本」監修(2013年)。
写真展「世界のカーニバル」「東日本大震災・被災地の夏祭り」キヤノンギャラリーなど。
キタムラ日本の祭り写真コンテスト審査委員、鹿児島市おはら祭り写真コンテスト審査委員長。
日本写真家協会会員、全日本郷土芸能協会会員。

公式ホームページ http://hagafoto.jp/