和菓子で巡る京の四季

和菓子で巡る京の四季
 繊細な京の四季の移ろいや風物を巧みに映す京菓子。
 朝廷文化が華開いた平安期に端を発し、その後、点心や茶の子の要素を取り入れ、江戸期には町衆文化の成熟とともに飛躍的に発展、季節の行事や儀式、祭りなどとも密接に結びつきながら独特の菓子文化を醸成し続けてきました。
 芸術的ともいえる京菓子の意匠とそれらを創り上げる職人たちの技を美しい京の四季も交えて、精細な映像でお届けします。
 そして何よりお伝えしたい「京菓子の美味しさ」
 1時間の甘い旅にテレビの前の皆さまをご案内します。

放送日 サブタイトル あらすじ
1/24(日) 「冬・寿ぎ編」 11月の末、京都南座に吉例顔見世興行の“まねき”が上がると京都の街はもう師走。東西の歌舞伎役者が顔を揃える顔見世には、京都五花街の芸舞妓たちも総見として観劇し、花を添えます。そして12月13日、芸舞妓がお世話になったお師匠さんやお茶屋さんにご挨拶に伺う“事始め”。祇園の街並みを芸舞妓が行き交い、華やかな雰囲気に包まれます。また20日には東西本願寺の“すす払い”、25日には知恩院の“お身ぬぐい”が行われ、一年の汚れを落とします。他にも“終い天神”や“終い弘法”など、師走の京都は伝統行事がめじろ押し。慌しくも、華やいだ雰囲気に包まれます。今回の『和菓子で巡る京の四季』は、新年を前に、縁起物の菓子、また祝儀菓子など、“新年を寿ぐ”和菓子の数々をご紹介します。まずは祇園祭因みの菓子でも有名な「亀廣永」で、お目出度い古都大内を。続いて、花街祇園の老舗「鍵善良房」からは、祝う心を形にした味わいを。また、銀閣寺近くの「緑庵」では吉祥菓子、大極殿本舗からは、師走ならではの風景と供に、迎春菓子の数々をご紹介します。
2/28(日) 「冬・むし養い編」 京都では、ちょっとお腹がすいた時に食べる間食を「むし養い」と呼びます。重くはないけれど、少し食べ応えのあるおやつを指し、グウグウ鳴くおなかの虫をなだめる、という意味があります。今回は地元に愛されているお菓子屋さんから、きどらない、まさに普段着のお菓子の数々をご紹介します。関東の香ばしく焼き上げるどら焼きとは異なり、しっとり、ふんわりの生地に、こだわりの餡をはさむ『京阿月』の「三笠」。『亀屋光洋』からは地域に根差した史菓「やぶ里」と、朝生菓子の「黒豆大福」をおすすめ。また『たから餅老舗』からは、新素材“京白丹波”を使った浮島のお菓子「丹波の風」を。そして最後に『幸福堂』からは、あんこがビックリするほど詰まった「五条ぎぼし最中」と、香り高い「よもぎもち」を。京都の人びとが普段使いで楽しむおやつを、京都の新春の伝統行事とともにご紹介します。
3/7(日)
最終回
「冬・もてなし菓子編」(最終回) 観光都市・京都が最も静かになる季節に、滞在そのものをじっくりと楽しめる人気の宿と、そのもてなしのお菓子を紹介します。若狭と京を結ぶ街道沿いに、400年を超える歴史を有する老舗茶屋があります。創業以来の名物「麦飯とろろ」は、今なお旅人や京の人びとに愛される味。そんな茶屋が宿泊客を迎える際には、名物ゆかりの「むぎとろ饅頭」と「とろろ餅」でおもてなし。素朴ながら品のある味わいが、旅の疲れを癒します。また情緒ただよう石畳の石塀小路に、京町家を現代風にアレンジした滞在型の宿を訪ねます。贅を尽くした2組限定の客室には老舗和菓子店で誂えた「季節の上生菓子」が用意されていました。そして渡月橋の桟橋から船に乗り、嵐山の峡谷へ。築百年の建物をリノベーションした宿が、街の喧噪から切り離されたロケーションに姿を現します。伝統美とモダニズムが調和した設えや、洗練された料理に思わず感嘆。日常を忘れるリゾート体験が、お迎えのお菓子「薯蕷まんじゅう」から始まります。
2/7、2/14、2/21は休止です。