第99回全国高校サッカー選手権大会 千葉県大会/展望

全国高校サッカー選手権大会 千葉県大会の展望
千葉県サッカー協会 技術委員会2種技術委員長 吉田有政


 千葉県大会の見所 
 令和2年度第99回全国高校サッカー選手権大会千葉県大会は、コロナ禍の中9月5日から144校参加の1次トーナメントが始まり、プレミアリーグ・県1部リーグ所属の9チームを加えた30チームによる決勝トーナメントが10月17日より各会場で開催される。1次トーナメントは各高校会場が多く使われたが、無観客での開催となり各会場ともコロナ対策で多くのご負担をお掛けした中でのゲームとなったが、多くの熱戦が繰り広げられた。勝ち上がった21チームにシード校9チームを加えた30チームによる決勝トーナメントは、更なる好ゲームが期待される。今年度は、関東大会予選・県総体と開催されておらず、各チームとも9月に入ってから公式戦がスタートしたなかで、チームとしての仕上がりがどこまで進んでいるかも見所になってくる。また、例年以上に勝ち上がっていく中で成長していくチームが多くなることにも期待している。

千葉県大会トーナメント表
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 ベスト4までの展望 
流経大柏~八千代
プレミアリーグ所属の流経大柏を軸に展開されるだろう。伝統校八千代がどこまで食い下がれるか。翔凜も昨年度、流経大柏に準決勝で敗れているためリベンジしたいところであろう。また、八千代を筆頭に県立高校5校がこのゾーンには抽選の結果入っているが、健闘を期待したい。

(暁星国際~敬愛学園)
このゾーンは、実力伯仲の好チームが揃っている。ここ数年、県大会・県リーグで好成績を収めてきた暁星国際、中央学院、東京学館、敬愛学園がリードしているか。どこが勝ち上がっても流経大柏との準決勝が予想されるが、どのチームもその座を狙っているであろう。

(習志野~専修大松戸)
県リーグ1部所属の習志野、日体大柏、専修大松戸。地力のある八千代松陰、東京学館浦安と激戦が予想されるゾーンである。県リーグで調子の良い習志野、日体大柏が一歩リードか。ここ数年各大会でベスト4に進出している日体大柏を撃破すべくどのチームも虎視眈々と狙っている。

(千葉明徳~市立船橋)
プレミアリーグ所属の昨年度代表市立船橋が一歩リードしているが、県リーグ1部所属の千葉明徳・木更津総合が打倒市立船橋を目標に臨んでくるはずである。決勝トーナメント常連校の千葉敬愛、渋谷幕張も力を付けて調子を上げてきているはずなので、侮ることはできない。


 決勝トーナメント 
 プレミアリーグ所属の流経大柏・市立船橋が優勝候補筆頭である。7年連続で選手権大会千葉県大会決勝はこのカードである。このカードは毎年、全国大会の決勝と同じであると言われているが、過言ではないと思う。今年度は県総体は中止され、各カテゴリーのリーグ戦も9月からの開催となり、どのチームも公式戦の戦いが充分に行えていない。この状況の中で流経大柏・市立船橋の2チームを中心にどのチームもどこまでチームを仕上げてくるかが注目される。1次トーナメントを勝ち上がってきたチームは激しい戦いを積んできた有利さがあるかもしれない。流経大柏は、新体制となり進取果敢の元、スタッフ・選手共に意気は上がってきているようである。1年次より豊富な経験を積み重ねてきているGK松原・MF藤井・FW森山が中心となり、昨年度の雪辱を狙っているであろう。3人とも世代別代表合宿等に招集され、更なる進化を遂げている。特に藤井は攻守の中心として流経大柏を引っ張っている。森山も得点力に磨きがかかり爆発力がある。昨年からのDF清宮・CB根本も安定した力を発揮するだろう。スピードのあるDF田村・MF高橋がサイド攻撃を仕掛ける。CB田口・FW川畑の2年生も経験を積み充実してきている。対する市立船橋も昨年の畑・鈴木のような個で状況を打開出来る選手はいないものの昨年度選手権本大会を経験している選手たちが多くおり、全員でハードワークするサッカーで連覇を狙っている。中でもCB石田は対人に強く、類い希なるリーダーシップを発揮し、堅守市船の中心を担っている。また、中盤のダイナモMF佐久間も豊富な運動量で攻守の中心となり、チームをまとめる。GK細江は安定感があり、一発の決定力を持つFW沼口、疲れ知らずのFW平良、更にはDF木内・MF井原・岩田・八木と経験のある選手たちが一丸となり、ここ一番での勝負強さを発揮するはずである。県内全てのチームが流経大柏・市立船橋に挑戦し倒すべく日々切磋琢磨している。この2チームに対抗する一番手は日体大柏であろう。昨年度は県総体でこの2チームを破っている。例年以上にテクニカルで更には攻守に渡り、ハードワークを追求しインテンシティの高いサッカーを展開している。9月からのリーグ戦も好調でチーム状態は上向きである。経験値の高いCB吉澤・FW小林には期待したい。また、習志野も同じようにリーグ戦が好調でチーム状態が良いようである。雑草の如く逞しくをモットーに、CB吾妻を中心に守備が整備され、伝統の個を生かしたサッカーに柔軟な対応力で覇権を狙っている。その他にも実力のあるチームが揃っている。リーグ戦で調子が良く戦術理解度が高くバランスのとれている八千代や毎年攻守に魅力のあるサッカーを展開する千葉明徳、豊富な運動量と魂でゲーム支配を目指す東京学館、個性的な選手を揃えテクニカルな攻撃を仕掛ける専修大松戸、攻守でまとまりを見せ一丸となり闘う木更津総合とどのチームも流経大柏・市立船橋を倒すべく虎視眈々と実力を蓄えてきている。新旧の実力のあるチームが顔を揃えた決勝トーナメントは1回戦からどのカードも見逃すことの出来ない好ゲームが展開されるだろう。10月17日から始まる熱いゲームに期待していただきたい。


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