アイコミュニケーションズ株式会社
布留川 剛仁

商業高校卒業後、東京電力ホールディングス株式会社に入社。2010年、アイコミュニケーションズ株式会社専務取締役に就任。2021年、同社代表取締役に就任。現在に至る。

再生可能エネルギー普及を目指す風雲児!

千葉市稲毛区にあるアイコミュニケーションズ株式会社は、2006年に設立された会社だ。「再生可能エネルギーの普及」に向け、太陽光や蓄電池、そしてEVなどの大容量バッテリーから家庭電力として給電するシステム:V2Hといったさまざまな商品・サービスの営業および設計、施工、保守を行っている。

電力の“当たり前”の概念を破壊する存在との出会い

アイコミュニケーションズ株式会社は、当初はその名の通り通信・OA機器やPCネットワーク構築などの通信系の専門会社として2006年に設立されたのがはじまりだ。現在の主力事業の一つとなるエコキュートの施工請負事業を開始したのは2010年、布留川代表がアイコミュニケーションズ株式会社に取締役として入社し新規事業として立ち上げる。

元々は東京電力で12年もの間、電力マンとして働いていた布留川代表。巨大な組織の中でやってきた仕事は、基本的に「マイナスを0にする仕事」だったと語る。電力がなければ経済は停止するため、絶対に止めてはならない。電力が当然に供給される状態、つまり「0の状態」を維持することが求められていた布留川代表は日々奮闘していた。

2010年ごろから、太陽光などの再生可能エネルギーの存在と投資の必要性を感じていたという布留川代表。しかし、大きな組織において攻めの仕事をしていくことの難しさも同時に感じた。そこで、下方硬直的な電力マーケットでのベンチャー企業的な動きを活発化させていく必要性を見出すことになるが、リスクは一切感じなかったという。それは蓄電池という存在を知っていたからだ。

電気は本来貯蔵することが難しい。よって電力は需要(使用量)と供給(発電量)とがつねに同じになるように調整されている。これを同時同量と呼び、このバランスがひとたび崩れれば最悪の場合地域が大停電に陥る。現在、需要側で使われない余分な電力は需給が等しくなるように供給側に差し戻される設計になっているが、戻すためにも余分な電力が使われており、環境負荷の一因にもなっている。

今まで当たり前だったこの同時同量の概念が、蓄電池という存在によって変化する。電力を蓄えられるので家庭でも発電できる仕組みが整うことで、各家庭が災害に強くなり、環境に優しい生活をつくれることになる。布留川代表は「電力の民主化が本格化する」とすでに気付いていたのだ。

どのように動いたら良いか。布留川代表は当初、営業職としてこの再生可能エネルギーの業界に加わろうとしたが、さまざまな識者と知り合い議論するなかで「工事」部分がボトルネックになっていることに気づき、アイコミュニケーションズ株式会社に入社後は工事の現場に携わっていくこととなる。

「電気工事会社」であることの強み

現在アイコミュニケーションズ株式会社は電気工事業を中心に、太陽光発電、蓄電池、V2Hなどを主力商品として住宅設備の販売や保守。直近では大企業とタッグを組み、なんとブロックチェーン関連技術の利用による系統マイニング事業を計画中、日本の電力インフラに根幹から携わっていくという。

そんなアイコミュニケーションズ株式会社の最大の強みは「電気工事会社であること」にほかならないと布留川代表は語る。かつて電気工事業は「3K(きつい、汚い、危険)」とされ、就職先として避けられていた業界だった。しかし最近の人工知能の発展により知的労働が削減されている現状を鑑みると、電気工事業がもたらす「リアルな仕事の価値」が明確になる。つまり単に「ブルーカラーとして稼ぐ」というだけではなく、実際に目の前で成果を見ることができる仕事を通じて、論理的思考、チームマネジメント、マーケティング、財務といったスキルを日々学べる環境が整っているという。

また、この業界は社会の課題を解決し、未来を形作る強みを持っている。日々の業務を通じて、時に逆境に遭遇することもあるが、そのような状況を乗り越えることで人は成長し、進化する。脳に刺激を与え五感を働かせることで、人々を進化させていくことこそが、電気工事業の最大の強みであり、優位性であると考えていると布留川代表は語る。

事業が成功する秘訣は「思考の順番」

私自身は弱い人間です、とつぶやく布留川代表。入社当時は再生可能エネルギーに熱意を持って挑戦したが、現実は厳しく、苦労する日々だったという。その中で「信用」と「継続は力なり」という原則の重要性を学んだ代表は、当初数千万円だった年商をいかにして1億円超えに導くか試行錯誤の末、「ヒト⇒モノ⇒カネ」という思考の順番に基づく商品開発とマーケティングを進めることが成功への鍵だと気付いた。

「たとえば、スタッフがノンストレスで働ける環境を作ることが現場の作業をスムーズにし、良い結果をもたらし、リピート顧客を獲得します。関わる全ての人が喜ぶ商品を提供することで自然と売り上げや評判が上がるということを経験してきました。お客様に対しても同様で「お客様が必要と感じている商品である、太陽光や蓄電池やV2Hは高価でちょっと不安、だからリーズナブルで安心して購入できるようにする」私たちはまだ完璧な成果を出してはいませんが、事業が成功するために最も重要なことは「ヒト⇒モノ⇒カネ」の思考の順序を大切にすることだと確信しています。」と布留川代表は語る。

日本国内のさらなる普及を目指して

今後も「再生可能エネルギーの普及」を目標に取り組みを続けるアイコミュニケーションズ株式会社。資源の乏しい日本だからこそ最適な組み合わせを通じて持続可能な社会への展開をお手伝いしていくことが、会社の発展・成長に寄与すると信じ、「本当の再生可能エネルギーは人である」という想いを胸に今日も布留川代表は事業を進めていく。

アイコミュニケーションズ株式会社

本社所在地
千葉県千葉市稲毛区山王町271-1
設 立
2006年12月18日
資本金
1,000万円
事業内容
オール電化、太陽光発電、蓄電池システムの設置を中心に、V2H(Vehicle to Home)技術や電気自動車関連サービスを含む総合的なエネルギーソリューションを提供している。幅広い電気、水道、空調工事、LED照明、住宅設備の保守を通じて、お客様のあらゆるニーズに対応し、持続可能な社会への貢献を目指しており、さらに革新的なブロックチェーン技術を駆使した系統マイニング事業も展開している。
企業URL
https://ai-comm.net/
代表者
布留川 剛仁