株式会社ベストマッチ
玉井 幸太郎

1988年、新卒で株式会社リクルートへ入社。一貫して人材採用領域を担当し、2004年に当時の上司と共に独立。株式会社ベストマッチを立ち上げ、取締役営業部長を経て2022年4月に代表取締役へ就任。現在に至る。

千葉県の雇用創出に尽力し続ける人材企業

株式会社ベストマッチは、千葉県に特化して人材採用の総合支援サービスを展開している企業だ。県内の多種多様な業界で約5000社のクライアントを持つほか、グループ会社へ移管した人材紹介事業では年間約8000名の就職・転職希望者と接点を持つなど、企業と求職者の双方にとって文字通りベストなマッチングを創造し続けている。

「千葉県は有効求人倍率が全国47都道府県中46位(厚生労働省2024年3月公表)という立ち位置にいます。数字だけ見れば人の流動が少ないマーケットだと思われがちです。しかし、“雇用創出”という視点で見れば逆に全国屈指の伸びしろを持つマーケットと言えます。そこにこそ、私たちの存在価値があるのです」と熱く語るのは、代表の玉井幸太郎氏だ。

今日に至るまで人材採用領域一筋の道を歩み続けている玉井代表に、業界人として思う千葉県のマーケットの魅力や今後の展望について話を聞いてみた。

クライアントの採用成功に、とことん伴走

2004年の立ち上げ当初から”千葉を元気に!!”というスローガンを掲げている株式会社ベストマッチは、千葉県内の企業や店舗と求職者のベストなマッチングを追求していく中で、採用成功に向けた伴走力を磨いてきたという。リクルート出身で同社の求人メディアを取り扱うパートナー企業としての実績を積み重ねてきたこの20年間、玉井代表はどのような想いを持ち続けてきたのだろうか。

「”採用成功”とひとくちに言っても、単に求人メディアへの出稿を取り扱うだけでは成し得ません。クライアントである企業や店舗の採用課題を見つけ、どのポジションや役割に就く人材が何名必要なのかを明確にすることから私たちのサービスは始まります。さらに応募があった後の受付や面接、入社後の育成など”定着”までを採用成功と置くならば、私たちはその全プロセスにおいて支援できる企業であるべきだと考えています。」

設立から20周年を迎えた2024年現在、株式会社ベストマッチは取り扱う求人メディアの拡充だけでなく、市場調査からホームページやパンフレットなどの採用ツール・コンテンツ制作、応募受付や面接の代行といった採用実務をはじめ幅広いサービスを展開している。すべては”採用成功”がもたらす雇用創出を通じて、クライアントにとことん伴走していく同社のスタンスを具現化させたものだ。その想いの原点は、新卒で株式会社リクルートへ入社した1年目にあるという。

「社会人としてのスタートを切ったその年に、リクルート事件が起こりました。当時のクライアント企業はもちろん、世間全般にアンチリクルートの機運が高まっていった中で、いきなり営業活動もままならない状況に置かれてしまったのです。自分なりに思い悩んだ末に退職願いを書いて手渡した当時の上司から、『残念だよ。君はやりがいのある仕事を求めて入社したわけじゃなかったんだね』とあっさり言われてハッと気付かされました。私はリクルートの名刺が欲しくて入社したんじゃない。自分の人生に必要なこの仕事とやりがいを経験したくて入社したんだ、と。仕事観や人生観を養っていくためには時間が必要であり、だからこそクライアントにとことん伴走して、企業の成長に欠かせない人材の採用成功を積み重ねていきたいと考えました。」

千葉エリアの担当に異動後も、地域の中小企業を中心に丁寧な業務を心がけていたという玉井代表。しかしリクルートの事業変革や人事制度の刷新に伴い、クライアントへのトータルサービスの提供が困難になってきたことで2004年に独立し、今に至っている。他社に負けない良好な関係を構築し続けることでこそ、未来の売上を確保できると玉井代表は考えている。

“スキルの抽象化”でAI全盛の時代に挑む

現在も千葉全域の人材業界を牽引している株式会社ベストマッチ。すでに同県の人材マーケットにおいて約11%のシェアを獲得しているが、あえて営業エリアを拡げずに千葉県内でのシェア拡大に尽力し続けるという。今後の展望として、人材業界をどう捉えているのだろうか。

「近年ではAIの技術革新が急速に進み、企業と求職者をスキルでマッチングさせるサービスがどんどん磨かれています。いわゆるジョブ型雇用には最適である一方、人の潜在的なスキルや志向にフォーカスした異業種・異職種への転職支援においては、長年にわたり培ってきた弊社の強みを発揮できると考えています。」

例えば株式会社ベストマッチのグループ会社に分社・移管した人材紹介事業ではこんな話がある。

キッチンを担当していた20代の男性が「もっとお客様の顔が見える仕事をしたい」と相談にやってきた。一般的な人材紹介会社であれば、前職と環境が似ている飲食店のホール業務や営業職などを勧めるだろう。しかしベストマッチグループを頼ってくれた彼は今、新しい会社で人事を担当しているという。

「もちろん彼が優秀だったということもありますが、彼の『相手の顔をみて人と接したい』という気持ちは、新卒採用の合同企業説明会などでも発揮することができます。こういった求職者のスキルや志向を抽象化し、企業側が求めるニーズとすり合わせていくことは、私たちにしかできない分野だと自負しています。株式会社ベストマッチにおいても考えは同じで、異業種・異職種出身でも活躍できる人材をまず見極めます。その方に合った企業との接点を創出し、採用成功へ導くためにもサービスの拡充が必要不可欠なのです。」

採用成功のトータルコンサルティング企業として

千葉県内に特化して存在価値を発揮する中で、株式会社ベストマッチは採用のトータルコンサルティング企業として市場専有率のさらなる向上に挑んでいる。営業や制作のほか営業サポート、広告運用、マーケティング、自社運営のコールセンターなどに従事するスタッフはグループ合計で100名を超えた。直近の2023年10~12月期においても首都圏のリクルートパートナー企業の中で業績表彰を受けるなど、成長著しい同社が牽引する千葉県の雇用創出には大きな期待が寄せられている。

<参考リンク>
株式会社ベストマッチ
株式会社ベストマッチキャリア(グループ会社)
採用お役立ち情報サイト「ベストレ」(自社運営)

株式会社ベストマッチ

本社所在地
千葉県船橋市本町7-11-5 KDX船橋ビル
設 立
2004年3月12日
資本金
1,000万円
事業内容
採用に関するトータルコンサルティングサービスを運営。企業と求職者の「ベストマッチング」をミッションに事業を展開している。
企業URL
https://www.bestmatch.co.jp/
代表者
玉井 幸太郎