“小売店”の概念を変える異次元の品揃え

コストコホールセールジャパン株式会社は、高品質な商品とサービスを低価格で提供することを理念に掲げている会員制倉庫店だ。本社のアメリカをはじめ、カナダ、オーストラリア、イギリス、そして日本など世界規模で875倉庫店を展開しており、会員数は全世界1億人以上、各倉庫店の取扱い商品は約3,500種類を誇る。

装飾や広告活動などを極力行わずシンプルな経営を行うことで会員様に還元する経営スタイルが特長で、バイヤーが国内外から選び抜いた商品を取り扱い、常に会員様がわくわくするような新しい商品を提供している。

また会員様に「宝探し」を楽しんでもらうために、商品の付加価値にも強いこだわりを持つ。例えば売場に並べられている精肉は飼育から輸送手段、カット方法に至るまで細かな工夫がいくつも施されており、一度も冷凍されていない良質な精肉を低価格で味わえるのが魅力だ。さらには調剤薬局やガスステーション*(ガソリンスタンド)、眼鏡・補聴器センターまで併設しており、世界中の小売店が追従できない総合サービスを提供している。そしてコストコの商品やサービスに万が一満足できない場合への保証として商品保証と年会費保証というシステムを設けていることは、コストコブランドでしか実現できない唯一無二の強みだ。*限定倉庫店のみ

2022年、神奈川県川崎市に構えていた本社を木更津市に移転したコストコホールセールジャパン株式会社。数ある土地の中から木更津市を選んだその理由、そして木更津市から見据える日本国内の展開について話を聞いてみた。

コロナ禍でも止まらない成長

コストコは1976年、カリフォルニア州で「プライスクラブ」としてスタートしたのが始まりだ。そして1983年に最初の「コストコ」倉庫店がワシントン州でオープン。1993年に「プライスクラブ」と合併し、後にコストコホールセールコーポレーションとなる。1998年4月には日本法人が設立され、1999年に福岡県に第一号店をオープンした。それから拡大を続け、今では日本国内で33倉庫店、アメリカ、カナダ、メキシコに次ぐ第4位の倉庫店数を誇る。

日本との関わりも創業当初から深い。日本各地で自然災害が起これば、倉庫店の安全の確保はもちろんのこと、被災した人々と地域に寄り添い、迅速な物品支援を行うなど、その時にできる最大限の行動や支援をその都度行っている。どのような局面においても、いつでも迅速で的確に対応できる会社でありたいと、常に構え、備えているという。

コロナ禍では、コストコにとっても大きな影響があった。まとめ買いの需要の高まりと在宅勤務の広がりにより、利用者動向が変化し、平日の来店が増加したのだ。特に水やキッチンペーパー、消毒液から家電やAV機器への需要が高まり、オンライン利用者も増加するという結果となった。

そしてまだマスク着用をお願いする小売店が少ない中で、感染対策を徹底して行うためにいち早くマスク着用ルールを取り入れたり、オートウォークの自動消毒器の設置、従業員によるマスクと手袋の着用と倉庫店内のアルコールでの拭き上げを徹底。結果被害は必要最小限にとどまったという。「あのような局面を切り抜けられたのは一重に従業員全体がもつ仕事に対する真摯な姿勢とコストコを信頼してくださる会員様の存在があったからこそだと思います。改めて団結力の強さを実感しました。」と担当者は当時を振り返った。

木更津から見据えるジャパンマーケット戦略

従業員数が増え、更にコロナ感染防止対策として各従業員のソーシャルディスタンスを保つために、前拠点の川崎ではオフィスを3拠点に分割して運営していたコストコホールセールジャパン株式会社。実は業務効率を図るために自社ビルの本社計画は何年も前から行っていたという。

新しい拠点には、前拠点の川崎から程遠くなく、倉庫店に併設することができる広大な土地があり、さらに全国/海外への出張も多くあるため交通の便も良いところという3つの条件が必要だった。そして見つけたすべての条件が揃っている土地が、木更津の町だったという。アクアラインを渡れば川崎、横浜、東京にも便が良く、2つのデポ(物流センター)の内の1つが市原市にあること、そして何より木更津倉庫店の横の土地を見つけられたため、移転を決行したのだ。

木更津市を拠点にしたことの最大のメリットは、やはりアクアラインによる快適な通勤と富士山まで一望できる見晴らしのいい5階のカフェテリアだろう。また倉庫店出店数が県内最多の千葉県で、デポにも近い拠点に本社を構えることにより、運営面での効率化も図れている。また日本列島のほぼ中心部に位置しているため、今後のさらなる倉庫店の展開を目標としているコストコの拡大計画にも、木更津という土地は非常に有利に働いているという。

日本では2030年までに60倉庫店オープンを目標に掲げており、出店地域や周辺地域に寄り添った運営を通じて地域発展に貢献する計画があるというコストコホールセールジャパン株式会社。木更津市をベースとしたさらなる事業展開に注目したい。

本社所在地
千葉県木更津市瓜倉361番地(金田西2街区2画地)
設 立
1998年4月
資本金
95億500万円
事業内容
高品質な優良ブランド商品をできる限りの低価格にて提供する会員制倉庫型店を展開。 世界に3番目に大きい小売業者で、全世界870倉庫以上保有。 会員数も1億人を超えており、会員制の大規模小売店として日本でも有名。
企業URL
https://www.costco.co.jp
代表者
ケン テリオ