株式会社ろくや

内房の魅力を感じられる『ろくや』

千葉県南房総市、リゾートが立ち並ぶ岩井の地に居を構えている『網元の旅館 ろくや』。そのほか「なぎさ食堂」や「海のマルシェ」など多角的に事業を運営し、千葉の自然の豊かさ、農水産物の魅力をトータルでお客様に日々伝えている。

そんな株式会社ろくやを牽引している渡邉代表に、話を伺ってみた。

崖っぷちからの復活。渡邉代表の「ファンづくり」とは

もともとは千葉県の内房・岩井海岸の地で代表の祖母が営んでいた学生専用の民宿がろくやの前身だ。20代のころの渡邉代表は当時都内に住んでいたが、趣味のサーフィンをするためにしばしば帰省していた。

そんなある日のこと、大きな事件が民宿を揺るがした。「母から 『この宿が続けられなくなる』と唐突に言われたんですよね…。詳しく話を聞くと、父が経営している海運業の会社の取引先が、音沙汰もなく倒産したのが判明したそうなんです。要は当時相手から受け取っていた手形が不渡りになってしまったんですね。それで父が借金をつくる形になってしまったと。さすがに14億の負債があると聞いたときはびっくりしましたね(笑)。と渡邉代表は語った。

どん底以上。そう感じた若き渡邉代表は決心して両親に「このまま潰れるのなら自分の好きなようにさせてほしい」と掛け合い、民宿再建に向けて躍起することとなる。

「絶対に『1回で儲けよう』という欲を出さないように心がけました。すでに多くの新規のお客様にお越しいただいていた状況ではあったので、リピートのお客様を増やすように意識していました。まずは10名に必ず満足していただくように、そして15名、20名…というかたちで。

やはり一時的に稼いでも、満足していただけなければ二度とお客様は戻ってきませんから。逆にここさえ意識してしまえばこの宿は復活できると確信していました。」と当時を思い返しながら、渡邉代表はことばを紡いだ。

『いかにもう一度お客様に来ていただけるか』

コロナ禍においてもろくやのファンによる需要は下がらなかった。観光業全体が苦しんでいたなか、なんと過去最高業績を記録。これもろくやを『定宿(じょうやど)』として日頃から利用いただいているリピーターの基盤を作ってきたことと、ハード・ソフトどちらも高品質な宿泊体験を提供していたからこそだと渡邉は語る。

そして今に至るまで、ろくやは年間稼働率90%以上を維持しているにもかかわらず他社の広告サイトを一切使用していない。このリピーター戦略に注力しているろくやは、リピーターによる紹介によって新規顧客へのアプローチをおこなうことを徹底している。これにより広告宣伝費をかけることがないので宿泊料金の全額が残るため、ハイレベルな宿泊体験サービスを維持できるのだ。

「お部屋や露天風呂で体験してもらう感動は1回目に受けきっているため、2回目以降のご来館で超えることはありません。だから2回以上来ていただく方には従業員とのつながりをどれだけ感じてもらえるかを重視しています。」と語る渡邉代表。

また透明性のある経営を意識しており、定期的に社内に経営状況を共有しているという。そして従業員に、ボーナスの意識や自分自身の会社への貢献度、お客様の視点をもってサービスを提供しているかどうかを考えるようにしているのだ。

『いかにもう一度お客様に来ていただけるか』を重視し運営を続けている株式会社ろくや。現在グループ全体の年商の7割はリピーターのお客様によるものだ。

お客様の休日のすべてをプロデュース

現在4つのプロジェクトを同時に進行させているという渡邉代表。将来的には、お客様が家を出てから内房を観光し、帰宅するまでの道のりを総合的にプロデュースする予定だと語る。

渡邉代表率いるろくやの今後に目が離せない。

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