大釜の湯のしずく浴び無病息災祈る

 大釜で沸かした湯のしずくを浴びて一年間の無病息災を願う「湯の花祭り」が20日、市川市の神社で行われました。

 市川市菅野にある学問の神様菅原道真公を祭った白幡天神社では、神事で熊笹に浸した大釜の湯のしずくを浴びるとその年の無病息災がかなうと言い伝えられていて、江戸時代から春を呼ぶ祭りとして親しまれて来ました。

今年も境内には地元の小学生や神社の氏子など500人近くの参拝者が集まり、熊笹に浸したお湯のしずくを浴びながら、この一年の健康を祈願したり神事の様子を写真で撮ったりして楽しんでいました。

また、氏子の女性たちが用意したサトイモの田楽や甘酒が参拝者に振舞われ、晩年にこの地に居を構えた小説家の幸田露伴や永井荷風が訪れた古社の境内は賑わいを見せていました。

白幡天神社の宮司の鈴木啓輔さんは「湯の花祭りは今では奇祭とも言われる大変珍しい伝統神事で、これからも地域で大切に守っていきたい」と話しています。